30代塾長のあなたへ
「堀君、体だけには気をつけろよ。年を取ったときにガタがくるから」
これは私が20代のころに、40代の人生の先輩である上司から言われた言葉です。
当時、私の上司は一緒に食事をしたときに、こっそりと薬を飲んでいました。
また、仕事を辞めて独立する前にアルバイトをしていたときも、50代の人生の先輩から
「ムリをしなくていいよ。腰を悪くするから」
と言われていました。
その人は腰を悪くしていましたし、私と同い年の人でも若いころのムリがたたって腰を悪くしている人もいます。
これは一般の人だけでなく、スポーツ選手でも同じです。スポーツ選手たちは若いころは激しいトレーニングをして体を鍛えます。
もちろんプロですからそれは重要です。が、ムリをし過ぎると逆に自分自身の寿命を縮めることにもなるのです。
たとえばプロレスラーの武藤敬司選手は私とほぼ世代が同じです。若いころは1日2000回スクワットをしたそうです。
確かにそれで強くはなりましたが、ムリをし過ぎて膝を悪くしてしまいました。今は障害が残っています。
「ムリをし過ぎてはいけない」
その言葉が今になってわかります。そして私もアドバイスを受けた先輩方の年を越えて、さらに年を重ねた今になってそれを痛感しています。
またそれを伝えてくれた人生の先輩たちに感謝しています。私は今も健康そのもので病院に行くことはほとんどありません。入院したこともないですし、365日休みなく働けるぐらいです。
また、こんなことも言われました。私が20代のころ。40代の社長から
「堀君、30代は100%で走れるけれど、40代になると80%でしか走れないよ。ムリして100%で走ってしまうと翌日に影響するからね。40代を過ぎるとそういう年になるんだよ」
とか。
実際に40代になったときにそれを痛感しています。1つはムリをすると疲れが取れないということ。
ムリをしてしまうとその日はよくても、翌日は疲れが取れないのでパフォーマンスが落ちます。
以前のように回復はしないということです。だから、若いころから体に気をつけることはとても重要です。
実際にプロスポーツの世界で長い間一流選手と言われる人たちは非常に体のことに気を使っています。
一流であり続けるためには、一流であり続けるためのメンテナンスが必要なのです。
有名なのがメジャーリーガーのイチロー選手。今44歳ですがメジャーリーガーで現役の選手としてやっています。
「自分は経営者だから」と、ムリをする必要は一時期は必要かもしれません。ですが、ムリをするのはある一時期だけにしておいてほしいのです。
あとは普通のようにやってほしいです。こんなことを書くと
「スポーツ選手の話でしょ。だから自分には関係ない」とか
「塾の経営をしているとそんなこと言っていられない」
と反論があるかもね知れません。確かにスポーツ選手ほど体を酷使することもないですし、経営者ですから一時期はムリをしないといけない時期があるかもしれません。
ですが、それを長期にわたってやることは、自身にとってマイナスになることはあっても、長期的にはプラスになることはないからです。
もし塾長のあなたが生徒や保護者に対して素晴らしいサービスをしているのであれば、それをできるだけ長く続けて、世の中に貢献してほしいと思っています。
ムリは続かないのです。
実際に高校3年生のころこんなことがありました。今のセンター試験前(当時は共通一次試験)。
2週間の間私は1日13時間の勉強をしました。理由は簡単。成績が足らなかったから。
そして、センター試験は一応想定内の点数となりました。ところが2次試験までまだ時間があるのに勉強する気にならない。
どんなに気合いを入れても勉強する気が起きないりです。と言ってテレビを見たいわけでもなく、漫画を見たいわけでもなく、何かをしたいわけではない。
ただやる気が出ないのです。気合いを入れ直すために、思い切って髪の毛を坊主頭にもしました。
でもやる気が出ないのです。あとでわかったことですが、私自身が燃え尽き症候群になってしまっていたのでした。
私は決して親から勉強しなさいと言われたわけでもないです。自分自身が選んだ道なので強制ではなかったのですが、それでも燃え尽きてしまったのです。
そして、大学受験が終わったとき、勉強するのが嫌になりました。幸いにも親から強制されてなかったのでそれは一時期で済み再度また勉強するようになりましたが。
この原因はすべて自分が悪いのです。もっと早くから「コツコツ勉強をしていけばこんなことにならなかったから」です。ふだんからやっていればこれほど苦しまなくてもよかったのです。
たとえると「虫歯」と同じです。毎日歯を磨いて、定期的に歯医者に行っていれば虫歯はひどくならない。
それを怠っていて、虫歯になってからいくから大変なことになるのです。
社会人になってからでも同様です
仕事をしていると欲が出てどんどん仕事がしたくなります。あるいは仕事をせざるを得なくなるかもしれません。
実際、私のときはこんな感じでした。最もよく仕事をしたときの1日のスケジュールは以下です。
5時半 起床
6時~8時 個別指導
8時~8時20分 朝食準備
8時20分 移動
9時~12時 集団授業
12時 昼食・昼寝
13時~18時 集団授業
18時 夕食・夕寝
19時~22時 集団指導
22時~2時 補習指導
こんな生活をしていました。
これは決して「俺はよく仕事をしていた。凄いだろう(ドヤ)」言うの自慢したわけではないです。
こんな指導をしていたら指導の質は下がります。そして、ストレスがたまります。
このときが「塾をもう辞めたい」と思ったときです。また、365日のうち355日仕事をしていました。それが何年も続くのです。
ただ、自分自身がバカだったなと思うだけなのです。
というのは自分自身がもっと頭を使ってお金を使い、働かずにもっと賢い方法で仕事をすればよかったのにと思うからです。
そうすればこれほどしなくてもよかったのです。そうしないと自分自身が指導に対して嫌気がさしていくからです。
だからムリをしているときはもっともっと頭を使ってムリをしなくてもやっていけるような仕事をするのです。
そして、もう1つ私がアドバイスをするなら「何でもやりすぎると今度は心が壊れる」ということです。
先日、自己啓発の音声を聞いてたときに「はっ」と思うことがありました。
海外のAランク(トップ5-6名)と言われる超一流のプロコピーライターというのは1年間に仕事を3本か4本しないそうです。たったそれだけです。
そして、その仕事から何億と稼ぎます。そして、後はゆっくりとリラックスします。
逆にそれほどでない人は仕事をたくさんとって、そして自分自身の精神が疲労してしまって早くに業界を辞めてしまうのです。
競争という意味で言えば大きなものが勝者はなく、最後まで立っていたものが勝者なのです。
何でもほどほどです。だから、よく仕事をすることも大切ですが、よく遊ぶことも大切です。そして、できるだけ少なくて質の高い仕事で多くの結果が出せるような仕組みを考えていくことです。
これは何も私が言ってるわけではなく有名なコピーライターの糸井重里さんがこんなことを言っています。
三度三度のめしを、よく噛んで、おいしく食べて。
決まった時間に気分よくうんこして、たのしみのひとつとしてお風呂にゆっくりつかって、よく寝て、すっきり起きて、
いつもおだやかに笑顔でいるような人に、
だれも勝てるとは思わないほうがいい。
当たり前のように当たり前のことを続けていけばいいのです。
「生徒が集まらないドタバタ」
「保護者のムリな要求にドタバタ」
「合格に厳しい生徒をムリして預かった。ドタバタ」
など。
生徒が集まるように毎日決まった時間にブログを書き、決まった時間にポスティングをする。2割の余裕を持たせて、その部分で新しいことにチャレンジしてみる。
そうやってきちっとしていくことが長く続けていくコツなのです。
カテゴリー: 経営の考え方