経営の考え方 集客の考え方

退塾率を減らし、入塾率をアップさせる方法

平成10年7月。奈良県の大和郡山市で塾を開業しました。

当時は10坪ほどで駅から徒歩1分のところ。立地はよかった。でもあとに潰れてしまう。

今で出こそインターネットで集客ができていていますが、同時は中々生徒が集まりませんでした。

そして、一番ショックだったのが「退塾」です。少ない人数なのに、20名を超えてから、1年以上経ってから退塾が出ました。

20年間で変わったものは「退塾」のとらえ方

20年以上経って何が変わったのかというと、それは「退塾」に関する考え方。それが変わったことで塾が伸びたといえます。

独立したときには、退塾が出たとき

「何で退塾したんだろう」

とすごく悩みました。感覚でいうと

「自分を否定された感じ」

がしたからです。大手の塾に勤めていたらまた違うのでしょうが、塾長をしていると

「退塾」=「自分の否定」

ととらえてしまっていることです。そして、こんな風にとらえていますから、かなり落ち込みます。

当時は近くの焼き鳥「大吉」で生ビールを飲みながら

「何で辞めたんだろう」
「何が悪かったたんだろう」

と悩んでいました。そして、ずっと飲んでいて、自動車では帰られない。

仕方がないので、そのときに乗っていた自動車のセレナの中で寝ることに。

そのうち、冬になると寒くなるので、寝袋を持って、塾の床の上で寝ることになりました。

一番の原因

今振り返ってみると、退塾したという事実だけを大きくとらえすぎて、物事の本質が見えていなかったのが一番の原因です。

当時の私は

「自分が悪い」
「生徒が悪い」
「親が悪い」

と常に誰かのせいにしようしていました。実はこれが最悪な方法だったのです。

そして、20年経った今。ずっと塾が成長している理由は

「誰かのせいではなく、やり方のせい」

と割り切れたからです。というのは、「人のせい」にすると、そこで成長が止まるとこととうまくいってもあとで問題となるからです。

学級崩壊と退塾の関係

最近Yahoo!ニュースでも取り上げられていますが、「学級崩壊」するクラスにある共通点が挙げられていました。

実はこれは私は10年以上前にブログで書いた内容です。というのも学級崩壊をしている学年の子を指導していたので、その子たち何人かに聞いてみたところ、同じ言葉が出てきました。

それは

「前の先生がよかった」

です。前の先生がすごくよかった翌年の学年は学級崩壊しやすいのです。

もちろん、人気の先生の翌年に担当を受け持つ先生が、悪いわけではないです。

生徒の話を聞いて、その対応も特に問題があったわけではないです。ただ、生徒たちにとって

「前の素晴らしい先生が基準」

になってしまったのです。それで学級崩壊が起こっているのです。

塾ではどうだろう・・

それでは塾に置き換えとどうでしょうか?すごい先生がいて、それで生徒が集まっています。

その塾が成り立っているとしたら・・・。
それは塾長であるかも知れません。雇った講師かも知れません。

もし、それがいなくなったら・・

・生徒が大量に退塾
・塾が崩壊

になる可能性が起きるわけです。

「いやいやそんなことはないし」

と思うかも知れません。ですが、今月は私と一緒に仕事をしていた塾長が亡くなっています。

そうでなくても、病気になったり、家庭の都合で辞めたりするかも知れません。

そうすると

「どうやって指導レベルを下げないで他の人ができるのか」

ということを考えます。そこから「やり方」を考えていくのです。そうすると

「組織全体がレベルアップ」

していくのです。

退塾を減らす。入塾を増やす最初

やり方に問題があるとわかればあとは簡単です。それを改善していけばいいのですから。

では何から改善していけばいいのでしょうか?退塾率を減らし、入塾率を増やすには・・

それは「伝え方」です。伝え方を工夫していくのです。そもそも考え方が全く違う塾には入ってきません。

その塾に入るには何か共感するものがあったはずです。

「この塾がいいな」

と思ったのに辞めるのは、そもそも入ってはいけない人が入ったのか、こちらが伝えたいことが伝わっていないからです。

落語家の「死」とその謎

ある日。上司からあるチケットをプレゼントされました。それは

「寄席」

のチケットです。豊中市である有名な落語家が寄席をやるので話し方の勉強のために落語を聞けと。

確かに3000円もするチケットを上司が自腹でプレゼントしてくれました。そして、落語を聞きに行くとことに

会場は「爆笑」と「沈黙」のなぜ

寄席がスタートして何人か大物の落語がスタート。1人は会場全体が爆笑の渦。私もメモを録りながら、「さすがにプロは違う。言葉が躍っている」と感じていました。

ところが、もう1人の大物落語家がスタートしたところ、会場はシーンとなってしまいました。

すぐ前にいる人が少し笑うだけで、会場はほとんど笑わなくなったのです。しかも有名な落語家なのでレベルは高いはずです。

しかも私も好きな落語家ですごく面白いことは知っていたのに全然笑わなかったのです。

気づかなったそのわけ

実はなぜ笑わなかったのか?理由は簡単。

落語家の声が「聞こえなかった」のです。テレビで聴いているときは腹を抱えて笑っていましたが、会場につくと、声が小さくて聞こえないのです。

ぼそぼそと話をするだけで会場の真中にいる私には全然聞こえないです。多分他の人もそうです。ずっとその落語家の間は会場が静まり返っていました。

しばらくして死亡の記事が

そして、何年かしてその落語家の人は自分で命を絶ってしまいました。人前で話をする仕事をしているとわかりますが、

「人前で話をして相手に反応がない苦痛」

は人にいえないものがあります。特に落語家であれば、前の人が爆笑なのに自分のときは静まり返っていたら・・。

そして、何度もそれが続けば・・

詳しい事情はわかりませんが、私が聞いた寄席では中身うんぬんよりも単に聞こえなかっただけのです。

お客さんが笑わらなかったのは「中身が悪いのではなく伝わっていなかっただけ」なのです。

実際にその人の落語をYouTubeで聴くと大変面白い。つまり話そのものには問題がない。

それなのに「笑ってくれないから、中身が面白くない」と思って話の構成ばかりを研究したいたのかも知れません。

できるかどうかは別でずか、ピンマイクを付けたら笑いが起こったかも知れないのです。

塾でも同じ

実は塾も同じで

「指導レベルは高い」
「指導の内容も素晴らしい」
「子どもに対する考えも素晴らしい」

ですが、それが相手に届かなかったら意味がないのです。

話をしているとそういった塾が多いです。指導レベルは高くて、子どものことを考えている。お金儲けばかりで子どもを食い物にしていない。

なのに生徒が集まらない。生徒が辞めていく。

退塾から学ぶ

退塾するときは「成績が上がっていない」ということがあるかも知れません。ですが、大抵は

「コミュニケーション不足」

であることが多いです。例えば成績がすぐ上がればいいのですが、子どもによっては中々上がらない子もいます。

そのとき、保護者にそれを伝えることで継続してもらえれば、成績は上がってきます。

それなのに、伝えていなかったために退塾してしまう場合が多々あるのです。

誤解で怒り爆発

実際にインターネットを使った塾だと、直接コミュニケーションの難しさを感じます。

こちらはそんなつもりでなくても相手は悪い方にとってしまい誤解が生じる場合もあります。

例えば、文章は人によってはきつく感じるときがあります。実際に毎日、報告書を書いていますが、中には保護者の中には怒る方もいます。

私が注意していることは、メールは必ず

「ありがとうございます。」

からスタートすること。そして、語尾には何回か「~ね」を入れること。これだけでも印象が違ってきます。

やることは

経営的にいうと教材研究よりも「伝えることに注意を払うこと」です。うまく伝えられれば保護者との摩擦も減ります。

実際には

・入塾が増える
・クレームが減る
・退塾が減る

のです。あとは伝えることをどれだけ徹底するかです。そのための

・ブログ
・line
・facebook
・YouTube

です。

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