今回は現実的に志望校に合格する話をします。
夏期講習で塾が潰れた理由
明日は誕生日。そして、もうすぐ7月です。7月になると思い出すのが塾をオープンした日のこと。期待よりも不安が多かった開業。
平成10年7月1日。私は奈良の大和郡山市の筒井駅で塾をオープンしました。名前は
「学習ジム・コーチ」
名前の由来は自分が塾に行っていなかったこと。そして、塾に強制されるのが嫌だったけれど、自分が勉強したいときに誰か側にいて欲しかったのでコーチとしました。
勉強というのは本来「スポーツジム」のようにやりたい人が通って、先生ではなくコーチをつけて自分の向上のためにするものだと思っています。
「理想でしょ」
と言われるかも知れませんが、今でもその気持ちは変わりません。あくまでもサポートだと思っています。
そして「普通の勉強を教える塾は必要はない」と本心では思っています。
というのは「自分でできるから」。そして、今は質がよい動画授業である「スタディサプリ」や「学びエイド」といったものがあるので益々必要がなくなっています。
ただし、最初に出来ない子はやり方を教える必要はあるかもしれません。そして、教えるのではなくサポートをする人がいるといいかとは思っています。かつての私が欲しかった人が。
甘い考え
塾をオープンする前はいろいろな独立起業フェアーに行っていました。変に知識と夢だけは膨らんでいきました。今から言うのも恥ずかしいですが、
何て呑気に行っていました。相手は指導先の保護者で銀行員のお父さん(笑)「ほっー」と言って聞いてくれていましたが、内心は(そんなに甘くはないよ。この若造め)と思っていたのかも知れません。
実際に塾をオープンして一番困ったのが「集客」。つまり、生徒が集まらないのです。正直にいうとこんなに集まらないとは思っていませんでした。
家庭教師をしていたときは会社から仕事をもらっていたので、ドンドン生徒が来ました。「堀君。生徒まだ持てる?」と聞かれて受け持っていた生徒数は月20名ほどでした。
それでも塾も簡単に集まると思っていたのです。しかも私が学生のときと比べてすでに10年以上経過しているのに・・。
塾の実態・現実
実際に塾の数とコンビニの数はあまり変わらないのです。塾もコンビニも多すぎますね。本当に・・・。
以下はコンビニと塾の店舗数です。店舗数でいうと1000件しか違いません。コンビニ約56000件に対して、塾約55000件です。
私が最後にのいたチラシは10万円で1万枚まいて入塾したのはたったの1人でした。
反応率は0.01%です。今ならそんなことはないでしょうが、当時は本部に言われて作ったチラシで、このときに感じたのは「こんなんじゃもうムリ」と思いましたから。
入った生徒の月謝は1万円ちょっとだったので回収するには1年近くかかります。
紹介で入ったものの指導に入った子は全員、成績が下から数えて10番以内の子で手かがかかって、生徒数が20名になったころから運営がおかしくなりました。
塾がとても騒がしいのです。結局は塾が騒がしくなって生徒がドンドン減り続けて最後には3名に。
受験も同じ
実はうまくいかないのは元々の考えが甘いのです。実際学校によっても開きがあるでしょうが大学受験で高3の春に決めていた第一志望に合格するのは1クラスに1名ほどです。
つまり、ほとんど第一志望にはいけないのです。その理由は「受験を甘く考えすぎているから」
先程の塾でいうと私はチラシの反応率はオープン前は「1%」くらいかなと思っていました。
この数字で計算すると1回のチラシで100名来ています(笑)。ありえない数字ですね。
そして、改めてオープンしたときにチラシの反応率を聞いたとき、不動産で「千三つ」つまり。1000件まいて3件反応があります。
これでいくと私の塾では30件くらいの問い合わせがあって、入塾率が半分だとして、悪くても15名は入っています。
これなら塾も余裕でやっていけますよね。それが、たった1件なのです。これを勉強に置き換えるとどうでしょうか?
1点アップするのにどれだけかかるのかを考えてみるとわかります。
現実を知らない受験生
そう言って部活を辞めて勉強に専念。そこは立派です。勉強も以前よりもやっています。
そして、勉強時間を聞くと「1日2時間」だそうです。正直にいうと「???」となってしまいました。
というのはその学年1位の子は「1日6時間」やっていたからです。実際もしお子さんが普通の出来であれば学年1位を取る言うのはこれくらいやっているのです。
1位の子も勉強はできましたが「すごい」というほど出来たわけではありません。ただ、努力していただけなのです。
偏差値を上げるための計算
たとえば、成績を上げるための計算をしてみましょう。偏差値を10上げるために問題集1冊を完璧にすると決めたとします。
1時間で進むスピードは4ページ。もちろん、その子の能力や単元。そして、科目によって違いますが、平均すると4ページとします。すると
塾の教材は通常1冊120ページ~180ページ。計算しやすいように160ページとすると3回は回すので
160ページ×3回=540ページ
1時間4ページだから
540÷4=135時間
必要になることがわかります。もちろん、これは1科目です。
1日3時間すると45日間
かかります。どうでしょうか?きっちりと見積もっていくとこんな計算になります。
もちろん、人にもよりますが、すべての科目がこれほどかかるわけではないですが、実際にこんな風になります。
すると「夢にまで見た志望校がかなり厳しいものになる」のです。もちろん、「ムリ」と言っているわけではないのです。
出した数字を確実にこなしていければ「夢は夢でなくなる」のです。夏期講習の時間は本来はこうして出すものです。
もちろん、全部塾にいけというわけではなく、1回目は一緒にやって、あとは自分でやると3分の1の費用でできます。
そうやって、やることを決めてやっていくのです。参考にしてくださいね。
こういうのをやりたいのであれば一緒にやりませんか?かなり現実的な成績アップの方法だと思います。