子育て

東大の入学式で語られたこと

少し話をしようと思っていたらテレビで取り上げられていましたね。

認定NPO法人 ウィメンズ アクション ネットワーク理事長の上野 千鶴子さんスピーチです。

反響があったので、賛成や異論もあったようです。

私が共感したところ

私が共感した部分を上げておきますと、

自分の力だけではなく周りの環境に目を向ける

うまくいくと、ついつい天狗になってしまいます。

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。

ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。

恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

実は勉強ができたり、スポーツができたりすると

「自分1人でがんばってきた」

と思いがちです。確かに、本人のがんばりも大きかったと思います。ですが、それも周りのおかげであることが多いのです。

実際に子どもがやる気があっても、それを許さない環境がたくさんあります。実際に私のところにも、本人が

「大学に行きたい」

と思っていて相談に来ても、大学に行かせてもらえない子がいます。前半の部分の話にもあった

「女の子だから」

という理由と経済的な理由です。また、私の教え子の中には本人はがんばる気であるのにお母さんが

「お前はバカだからやってもムダ」

何て言われ続けた子もいます。そういった子もいるます。だから

「やってもらっていて当たり前」

何て思わないことです。

これからの時代は正解のない時代

東大生に限らず、どんな世界でも生きていける子に育てたいです。

あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。

これまであなた方は正解のある知を求めてきました。

これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。

学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学や国際交流、国内の地域課題の解決に関わる活動をサポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。

異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。

あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。

大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。

知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。

学校の勉強の特徴は

「元々正解がある」

というのがポイントです。ですが、社会に出たら

「これが正解かどうかわからない」

とか、

「正解がいくつもある」

のです。もっと言うと

「自分にとっての正解」

です。そういった中で生きていくには

「自分なりに考えていくしかない」

のです。これは東大生だけなくすべての人に言えることです。この話を聞くと時代はドンドン流れています。

保護者の方も子育てについて考えていく必要があります。

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