冬期講習でずっと授業をしているので少しだけ。
国語の指導の教材で面白いことが書かれていたのでその話を。
日高敏隆「春の教え方」の中にこんな話が出てきます。
よく知られているとおり、冬を越す昆虫たちの多くは、ただ冬の寒さに耐えてきっと眠っているのではない。
彼にとって冬の寒さも必要不可欠なものなのである。彼らを摂氏5度以下の低温に何十日から晒されてることによって、体内で何らかの変化が進行し、その結果、冬の休眠から醒めて春を迎えることができる。
寒さは十分に過ごさなかったサナギは卵もあまり産めない、ひ弱なチョウになってしまうらしい。
冬の寒さにあわせたかわいそうだと言うので、ずっと春と同じ25°の温度に保っておいた実験室のサナギは春になっても親のチョウになれず、そのまま眠りつづけている。
そして、何年もサナギのままでいてついに痩せ細って死んでしまう。
実は受験勉強もこの冬眠と同じで
「自分でやりきったもの」
があるからこそ、春になるとサナギからキレイなチョウになるように、一皮むけて大人に近づけるのです。実際に受験生は大変です。
今も中学受験の生徒や高校受験の生徒は1日10時間やっている子もいます。
息子の友達の中には1日14時間も勉強したのに成績が上がらなくて机をひっくり返した子もいます。
私も1年半化学を勉強したのに23点しか取れず、さらに他の科目を捨てて「化学だけ」を1日6時間やったのにわかりませんでした。
思わず教科書を床に叩きつけて、「化学0点で合格する」何て言ったこともあります。
喜びもあり、悲しみもあり、怒りもあります。模試で一喜一憂して、ニコニコしたり、怒ったり周りにも影響を与えます。
私もずっと休みなく続けています。それも
「サナギがチョウになるように、子どもが少し大人になるための通過儀式」
だと思っています。だから
「辛いのも」
「苦しいのも」
「大変なのも」
すべて必要なのです。受験は通過儀礼と思って応援して上げてくださいね。
このあとまだ指導は続きます。