「うん?パパママストアか」
大学出たての頃の私。コンサルタントをしていてその企業の価値をその大きさで感じていました。
「大きいものがよくて、小さければ悪い」そんな感じです。だから「パパママストア」というと非常に価値の低いものだと思っていました。
もちろん今はまったくそれは思っていません。
たとえば、小さくても近所にある美味しいパン屋さん。そのパンが美味しくていつも買っている。
そのパンがなくなると非常に困るとか。20数年通っている理容店。そこの店長のカットとシャンプーが好きなので通っている。その人が亡くなってしまったら非常に困るとか。
もちろん、コンビニ大手のコンビニがなくなると困るというのもあります。だから、必要とするお客さんに提供しているサービスの質がよければ当然その企業に存在価値があるのです。
規模の拡大。それって幸せ?
以前は私もその規模を大きくしようと思っていました。塾をスタートしたときも5店舗ぐらい出してとか。
当時は自分自身の力がなかったのでやれませんでした。しかし、自分自身のことを振り返ってみて、無理して店舗を増やさなくてよかったなと思っています。
それは自分自身にとって「幸せな規模」というのがあるから。その規模が大きくならないのはその人の器というのもありますです。
ですが、無理なことをして企業を大きくすると自分自身も幸せを感じることなく、「規模は大きくなったけれど、幸せかというと・・・」となってしまうのです。
昨日國立先生のブログを見ていたら、ふと過去のことを思い出しました。
塾と一言にいってもいろいろな塾があります。1人で行っている塾。家族で行っている塾。アルバイトを雇って何名かでやっている塾。そして、上場している塾。
自分自身が生活できる収益をあげないといけませんが、それでも自分が幸せを感じる塾の規模は、塾長の希望に合わせてやればいいのです。
もちろん戦略的に考えてやらないといけません。
というのは塾が大きければ必ずしもその人が幸せになるとは限らないからです。
経営者自身が「あ、やってて楽しい」とか「やっていて面白い」とか規模が大きいからそうなるわけではいなのです。
「経営なんてそんなに甘いものではない」
といわれるかもしれません。ですが、せっかく自分自身の思いを実現するのに起業したわけですから、自分自身も経営を楽しめばいいのです。
参考までにいうと起業というのは以下のように成長していきます。
生業→家業→小企業→中企業→大企業
そして、この中で「収益は規模が大きくなれば、大きくなるほどよくなるか」というと必ずしもそうではありません。
たとえば、中途半端な規模だと収益性は悪化します。少し例をあげますと、生徒数が40名なら1部屋で何とかやっていける。
でも、60名になるともう1つ部屋を借りないといけない。それでは収益率は悪化。元の収益率にしようとすると80名にしないといけない。そんな感じです。
変な話ですが 家業ぐらいのレベルでも抜群の収益をあげているところもあります。中企業なのに社長自身が収益をあげていないところもあります。
幸せの規模って?
ただ、その話は別の機会にするとして、その塾の規模によって塾長が感じられる幸せというのがあるのです。
以前、ヤマダ電機の社長インタビューがありました。参考までにヤマダ電機というのは日本一の家電の量販店です。
その中でこんなことをいっていました。ヤマダ電機の社長は
「まだ何店舗かのとき、近所の人が手伝いに来てくたり、一緒に商品を運ぶのを手伝ってもらったり、一緒にご飯を食べたりしていたきときが一番幸せだった。
人の顔が見えて楽しかった。今はそういうわけにはいかない」
規模が大きくなると背負うものが大きくなるので、それを幸せと感じられるかどうか。
変な話ですが、私がオフラインの塾をやっていたとき「楽しいなあ」と思っていたときは生徒が「たった10名だったとき」生徒からもいろいろ相談されていました。
「今日告白して」
「実は学校でいじめられているねん」
「先生彼氏にチョコレートを作りたいので練習のために食べて」
そういった話をしていました。生徒は夜の11時まで進路について語っていました。
それが生徒が2倍に増えて20名。それに比例してストレスも増えていきました。
「生徒をもっと獲得したい。でもストレスが・・」
そんな気持ちが続いていました。結局、その塾は1年後に消えてなくなりました。
「何のための塾?」
もちろん企業ですから「価値を与える」というのは必要です。ですが、その中で「自分が幸せを感じられるのか」とするとまた違った経営になると思います。
規模を拡大して自分が幸せを感じられるのであれば拡大すればいいし、自分が幸せに感じられてないのであれば感じられる規模でやればいい。
小さい塾でも広告費もほとんど使わず「あの塾はすごい」と聞いて紹介で集まっている塾もあります。さて、あなたにとって「幸せな塾の規模」ってどれくらいでしょうか?