「生徒が言うことを聞かない」
「スタッフが動いてくれない」
何て悩みは多いですよね。その話を以前に書いた
という話を組織に当てはめてお話したいと思います。
組織と書いたら、
「うちは一人でやっているから関係ない」
と思ったかも知れません。いえいえ。2人以上いたらそれは組織です。そして生徒を指導している限り、それは組織となるのです。夫婦も組織です。
組織は活性化させるには3つの要素が必要だと言われています。チェスター・バーナードが提唱したものです。
それは
「共通目標」「貢献欲」「コミュニケーション」
です。その1つ1つについて話をしていきましょう。
1.共通目標
これはよくわかることと思いますが、自分と相手が共通の目標を持っているとがんばることは明確です。
生徒を指導している場合は「生徒の行きたい志望校」と「親が行かせたい志望校」が合致していてたら問題なく進みます。
塾の先生もそれに乗っかって指導してはいいからいいのです。これは会社でもそうです。
スタッフの個人目標と塾の個人目標が一致していたらすごく活性化しますよね。
たとえば、従業員が自分自身がもっと収入を増やしたいと心底思っていれば、塾としてはどんどん仕事を任せて収入を増やせるようにすればいいわけです。
拡大もやって行けばいいです。そうすると会社の目標と個人の目標が一致して組織も伸びていくのです。
2.貢献意欲
ここに1つのポイントがあります。以前に「正論では人は動かない」ということを書きました。
正論だけを押してくる人 の組織ではこれがなくなってしまうのです。これは子どもでも同じです。
私が指導したところの生徒ではいわゆる「不良」と言われている子も何人も指導してきました。
学校でも問題児扱いされている生徒です。ですが、その中ですごくがんばる子がいました。
テスト前になると異常に集中するのです。今までいじっていたスマホは親に自分から預けて必死になって勉強して話もしない。
普段はグダグダしているのにこの時ばかりはすごく集中するわけです。それで一度聞いてみたわけです。
「何でそんなに一生懸命に勉強するの?」
とすると意外な言葉が返ってきました。
「お父さんに悪いから」
「何でお父さんに悪いの?」
「だってお父さん、毎日仕事が終わったら私のために数学の問題を作ってくれているから」
と。その子のためにお父さんが毎日問題を手書きで作って出してくれているそうです。
「そのお父さんに応えよう」と思って必死に勉強するのだそうです。これは父親に対する貢献欲です。
また塾でもあります。以前に卒業生と2人でご飯を食べに行った話をしました。
その時に言っていたのが
「先生と一緒に勉強した時ほど勉強したことがない」
と。そして、志望校に合格しましたがその時も同じようなことを聞きました。
「何でそんなに勉強したの?」
と聞くと、
「先生にあれだけしてもらったので落ちてしまったら、先生にすごく悪いと思ったからがんばった」
と。これが貢献意欲なのです。
「会社が好き」「塾が好き」「先生が好き」「上司が好き」「社長が好き」
とか。別の言い方にすると
「会社のために」「先生のために」「塾のために」「上司のために」
でしょうか?
そういったことは正論では貢献欲がわきません。たとえば、正論で進めて来る人には「理」で返します。
スタッフであれば
「他のアルバイトの方が時給がいいから」
「他の塾の方が待遇がいいから」
とか。
それよりも相手のことを理解し寄り添う形になると貢献意欲が生まれるのです。
3.コミュニケーション
人とよく喋っているから自分はコミュニケーションが得意だどう思っているかも知れません。
実はコミュニケーションというのはそういうものではないと思います。日本語に訳すると「意思疎通」です。
ということは
「相手の言いたいことを正確につかみ、自分の言いたいことを正確に伝える」
ということなので、そう言った意味では私はできてない方です。
特に自分自身は相手のことを理解していると思っていても、理解してないことが多いです。
また、自分自身の本音を相手に伝えられているかと言うと伝えきれてないことが多いです。たとえば、こんなことはないですか?
従業員が突然辞めるとか言うのは結局は相手の自分に対して本音を語っていなかったことになります。
コミュニケーションが取れていなかったわけです。実際にそのスタッフの気持ちからすれば
「この人に言っても理解されない」
と思っているのかも知れません。まず、あなたが夫婦間のトラブルがあるのもそれが原因かも知れません。
自分自身の伝えたいことが相手に伝わっていないかったり、相手の伝えたいことを理解していなかったりしているからかも知れません。
コミュニケーションは相手を理解しようと努力して、あなたを理解しようとしていますことを伝えることからスタートします。
相手に寄り添うと気持ちと、そして自分自身のことを相手に正確に伝えていくという努力は必要です。
もちろん、私もまだまだです(笑)