経営の考え方

こんな塾はいらない

私は塾をオープンして17年間経ちますがその間ほとんど他の塾の先生と交流を持ちませんでした。持ったのも限られた2.3社のみです。後は一切交流はなしです。

私が他塾の先生と交流を持たなかったのにはある大きな理由があるのです。

その理由は何かと言うと

「他塾の先生の影響を受ける」

と思ったからです。

私は塾をオープンした時にはとにかく他の塾のことをよく見ていました。他の塾を見ていたと言うのは他の塾の真似をしていたということです。大手が映像授業を取り入れようとした時には

「やっぱり自分も映像授業を取り入れないといけないのかな」

とか、コンピューターのシステムを導入したら

「うちも導入しないといけないのかな」

と周りばかりを気にしていました。「こんなシステムが良い」と聞けば気になって見に行き、「あんなシステムが良いと聞けば、そのシステムを見に行く」そんなことを繰り返していました。

「生徒が集まらないのはそんなことではないのに・・・・」

結局は、私の塾というのはまだ入っていない見込み客からすれば、

「あってもなくてもいい塾」

だったのです。さらにショックなことがありました。

以前開いて塾近くにスーパーが2件。1つは普通の広さのスーパー。そして、もう1件はその2倍以上の売場面積のあるスーパーです。

私が塾を辞めた3年後。そのスーパーはどうなったのか?普通の広さのスーパーは潰れてしまったのです。

潰れたスーパーの店主とも交流があったのに潰れたのでショックです。それは、大きいスーパーの真似をしたから。そこの店は「魚だけ」は美味しかったのでそれを買いに行っていたのです。

当たり前ですが、同じ品揃えで、同じ内容、のスーパーだったら、圧倒的に面積が広いところが勝つます。

では、塾ではどうするのか?塾では他と同じだと絶対に大きい塾や、有名な塾が勝つのです。

つまり、私が当初やってたやり方は、「潰れるためのやり方を徹底して行っていたわけ」です。当たり前ですよね。「潰れるやり方を一生懸命やっていた」から潰れても。

それがわかってからは、徹底して他の塾との関係を絶ちました。10年以上、塾長との交流会や集まりにはほとんど参加しませんでした。本当にここ4年ぐらい前までは、全然他の先生との付き合いがありません。全くといいほどです。

私のことを知っている先生はいても、全く交流を持たなかったのです。

そして、自分の塾が独自のカラーを出すことに懸命になっていました。

「他の宿の真似をしていませんか?」

他の塾と同じであれば、そんな塾はなくてもいいのです。と言うのは他の塾でもやってくれるから

「いえいえ、私のところは変わっていますよ」
「特徴的です」
「すごく面倒見の良い塾です」

そう、自分で思っていても外から見ると同じ塾に見えてしまうと結局は同じなのです。小さな塾が生き残るのには、小さくてもいいので圧倒的な強さが必要です。

「厳しさナンバーワンの塾」
「××模試に強い塾」
「数学だったらどこにも負けない塾」
「国語には絶対的に強い塾」

など。これは何も塾だけに限ったことではないのです。以前に書いた「愛の貧乏脱出大作戦」と言うテレビ番組の中でも同様な改革が行われていました。

貧乏なパン屋さんやラーメン屋さんが立ち直せるためにやったことは、「圧倒的に強い商品を1つか2つ作ること」です。 中途半端な他と同じような商品をたくさん持つのではなく、「これだけは負けない」という強いものを持って、それを看板にすることなのです。これは商品もそうですが、やり方でもいいです。他とは違うものが必要なのです。

「あなたの塾は本当に必要ですか?」

他の塾と同じだったら必要ありません。まずは自分自身が他の塾とは違うカラーを出していきましょう。

-経営の考え方

© 2024 塾長のためのWeb集客研究会