「教える」
という仕事をしていると最初の頃疑問に思うときがあります。
それは
「勉強を教える」
というのは誰でもできるからです。例えば、高学歴なお父さんやお母さんであれば自分の子どもを教えることができます。
また、学生でも教えることはできます。わざわざお金をもらって自分で指導しないといけない理由は・・?
その前にこんな話をしますね。この
「料理」
でも同じです。
料理は毎日毎日食べています。奥さんが作ってくれたり、旦那さんが作ってくれたりと毎日食べていますよね。
わざわざ料理人に作ってもらう必要はないかも知れません。
もちろん料理を楽しむだけではなく、雰囲気を楽しむだけかも知れません。
ですが、
「素人でも作れる料理をなぜわざわざ料理人に頼んで作ってもらわないといけないのか?」
です。どこに違いがあるのか?この「違い」がプロと素人の違いなのです。
通常、素人は最初に献立を考えます。
「今日はカレー」
と決めたら、その材料を探しにお店に行ってその材料をそろえていきます。
お肉、ジャガイモ、にんじん、玉ねぎ
と。そして、カレーを作ります。
ところがプロの料理人は違います。個人相手に料理を作っている人は、お客の好みを聞きます。
そして、市場に行って食材を見ます。そして、旬の食材を見ながら
材料から献立を考えるのです。材料を生かす料理です。それは
「その方が美味しくできる」
からです。もちろん、それには
「たくさんのメニュー」
を知らないと作れません。
頭の中で数百と知っているレシピの中から、材料を合わせて、材料を生かしながら美味しい料理を作っていくのです。
では、
「教える」
では、プロと素人の違いはどうかなのか?指導者も同じです。人を育てるのが上手な人もそうです。
素人は
「自分のやり方を押し付け」
ます。親でも子どもを指導することはできますが、それはあくまで
「親のやり方」
です。親がやって効果のあった方法であって
「正しい方法」
であるかも知れませんが
「子どもに合った方法」
でないのかも知れません。
通常人は自分がやった方法だけが正しい方法だと思っています。
自分自身が
「何回も書いて覚えた」
という人は、相手にも
「何回も書いて覚えさせよう」
とします。もちろん、
「正しい方法」
です。ですが、子どもによっては
「それが合わない子」
もいるのです。
「面倒くさい」
「自分には無理」
など。もちろん、単純に面倒なだけの子もいますが、実際にできない子もいるのです。
そうすると
「この子はダメだ」
とさじを投げてしまいます。子どもはこんな風になります。
「勉強は嫌い」
「勉強時間は嫌い」
「自分はできない人間」
「どうせ無理」
と
「その子はやる気がないから」
と思うかも知れません。実はそうではなく
「やり方が違う」
だけかも知れないのです。これは
「やり方を変える」
と違った結果が出る場合があります。例えば、文章を上達するのに
「見本となる文章を書き写す」
という方法があります。
これは私もやりますが、大変効果的な方法です。プロもやっています。ですが、中には
「それがどうしてもできない」
という人もいるのです。その人は仕事でやっている人です。どうしたのか?
「文章を音声にして毎日聴いた」
のです。そして、身につけことができたのです。どうですか?
「その人にやったやり方」
「その人を伸ばすやり方」
というのがあるのです。他にもあります。
「何度も書いて覚えるのが苦手」
という子には
「問題形式で覚える」
というのも1つの方法です。問題を解きながら覚えるのもそう。また、マインドマップに書かせるのも方法です。
「マインドマップでうまくいけた」
と言うと次からは
「誰でもマインドマップだ」
というわけにはならないのです。
というのは、私はマインドマップをよく多用します。自分でも使っていますが、生徒の中にはどうしても
「マインドマップが合わない」
という子もいます。そういうときは
「マンダラ」
を使います。
「きちっとした子」
はマンダラの方が合うかも知れません。また、授業中に指導していると
「14ページを開いて」
と問題をやるページを告げても
「すぐにできない子」
もいます。ですが、ホワイトボードに
「14ページ」
と書いてあげると「すっとできる」ようになります。これは
「聞ける子は聴覚優位タイプの子」
「聞けない子は視覚優位タイプの子」
かも知れないのです。こういったことはたくさんあります。
「聴覚障害」
「学習障害」
と言われる子を指導するとすごくわかります。
通常の説明では簡単なものでもわからないのです。ですが、
「1つ1つに色を変えて説明を入れる」
と理解力がグッとアップするのです。指導するには
「相手に合わせる」
「相手の脳タイプを知る」
必要があるのです。もうすぐ
「脳タイプ診断」
ができます。また、その話は次回。