指導 経営の考え方

クレームのくる親の話

人の採用、生徒の入塾。すべて一番気をつけないといけないのが最初です。最初できちっとしておけば後は楽になります。

商売の言葉で「利は元にあり」があります。これは「仕入れの大切さ」を示す言葉で。最初の仕入れな肝心というものです。

同様に人の場合も「人は最初にある」のです。私も結構、情に流されてしまいますが、最初から大変な人を入れてしまうと後々尾を引いてしまうので、最初に絞っておくのです。

わかりやすい例で言うと、瓶に水を溜めるときにはきれいな水を溜めると水がきれいになります。

ですが、汚い水を最初に入れてしまうと、後でいくらきれいにしようと思って難しいものがあります。きつい表現になりますが、最初が肝心なのです。

私が勤めたところの社長がこんなことを言っていました。

三流の人を一流にすることはできない。でも、

三流 の人を二流半に
二流半の人を二流に
二流 の人を一流半に
一流半の人を一流に

するのが教育だと。

だからこそ、最初に気をつけないといけないのです。

クレームの多い家の見分け方

実際私の塾ではクレームがありません。クレームがないというよりも辞めていくというのが本当かも知れません。

が、とにかくクレームがないのです。というのは、電話で事前に察知して断るようにしています。

実際に最初から値下げを要求するご家庭はその後なんだかんだ話をつけて値段を下げるように言ってきます。

そして、突然「今月で辞めます」と退塾します。大手でも「値段を安くしてください」と言っているのでしょうか?

過去にもありましたが

「入会金がなければ」
「教材費が高いので」

と言ってくれるところはその場でお断りするようにしています。

合わなければ入会しなければいいだけなので。というのは私の自身の考えですが、私自身は会員さんをお客様とは思っていません。

私にとっては大切な友達です。友達ですからその子のことを考えて指導します。お母さんの就職相談にのりますし、プライベートの相談にものります。

ときには自塾が不利になったとしてもその子のためにたると思ったら「うちの塾を辞めた方がいいよ」というときにはもあります。

そういった家は、私の考えを理解してくれていますから、退塾してからも親戚の子を紹介してくれます。

だからこそ最初に選ぶのです。では一体どういったご家庭がクレームになるのか?それについて話をしたいと思います。実際に経験上の保護者のタイプです。

保護者のタイプ

保護者のタイプによって、だいたいわかります。以下は経験で分類しています。

どの親がいいというより自塾でどのタイプを受けるかどうかを考えればいいわけです。

生徒集めが厳しいときにはクレームの可能性があっても受けるかも知れません。

1.教育熱心でない保護者

「教育熱心でない」と言うと誤解を受けますが、どちらかという「親が前に出てこないタイプ」です。子どもの教育はついては子どもの後方支援といったタイプです。

①子どもを長期的視点で見られるタイプ

実は教育熱心でない家というのはクレームが来ません。変な話ですが、教育熱心ではないと言うと子どもに無関心というわけではなく子どもを信じているということです。

子どもがやりたいことがあったら親は全力で応援します。子どもの自主性を尊重していますので、ほとんどクレーム来ることがありません。

塾としても非常にやりやすいところです。そういう家の方が来られると大歓迎です。

この場合はそれほど多い家庭ではないですが、親も過干渉ではないので親子でのバトルはありません。私のところの会員さんが多いタイプです。

②子育てをその場しのぎで考えるタイプ

今まで何もやっていきていなくて、入試前に入ってくる場合です。他の塾に行っていたり、自分で勉強してきたりする場合はいいのです。

ですが、子どもの現状を知らず、入試前に入ってきて

「1週間1時間で5科目を指導してください」

何て言います。もちろん、すごい理解力があってできる子であればいいのですが、全然できない場合が多いです。

成績が上げらなかったら塾の責任にされます。「塾に来ているのに」と。たいていのところは断りますが、中には受けてしまう場合もあります。こういったときには細心の注意が必要です。

2.教育熱心な家

教育熱心な家というのは親が前面に出てくるタイプです。大きく分けて2つに分かれます。

それによってタイプがわかりますので注意が必要です。

①親も理解力があって教育熱心な家

自分自身が受験を経験したり、自分に勉強してきたりする家は教育熱心であったとしてもそれほど問題にはなりません。

あるいは子どもを自分自身で教えていると子どもの能力を十分に把握しているので、無理なことは言いません。

もちろんこちらが下手なことをすると当然クレームになりますが、それは当然の話です。

高学歴のお母さんは自分自身が勉強しているので、子ども自身がどれくらいのレベルか把握しているので無理難題を言いません。

また、高学歴でなくても子どもを客観的に見られるお母さんは大丈夫です。これは決して学力があるとか高学歴という話ではないのです。

子どものことを理解してるかどうかなのです。あるいは実際に勉強のことを理解してるかどうかなんです。

それがわかっていると無理なことを言わないのでクレームにはならないのです。

たとえば、偏差値5を上げるためにはどれだけの時間と努力が必要がわかっているからです。

②親が理解力がなくて教育熱心な家

実際にあまり言いたくはないのですが、親自身が勉強したことがなくて子どもに対して勉強させる家というのはクレームがおきやすいです。

というのは、勉強そのものがわかっていないかったり、子どもの能力を考えていないかったりするからです。

実際にあった話ですが、あるお父さんからこんなことを言われました。

「勉強なんてポイントを少し押さえればできるようになるでしょう」

と。そのお父さんは自分自身で勉強した経験がありません。簡単に考えていますから成績が上げらないとクレームになります。

実際に、塾を何度も変わって、私もクレームを受けました。当時は追加料金なしで、週3回は夜中の2時まで、土日は終日やっていましいた。

それで月謝が3万円くらいです。子ども自身が勉強していなくても塾のせいにされます。

そういった家は事前に断るのが賢明です。あるいは自分自身が学歴コンプレックスを持っているという場合もあります。

自分自身が学歴コンプレックスがあって、自分自身の夢を子どもに託そうと家に対しては危険信号が点滅しています。

というのは子どもの能力を把握していればいいですが、自分自身の夢を託すわけですから子どもに無理なことをさせてしまうわけです。

ヘタをすると子どもが潰れてしまいます。ですが、親本人には見えていません。そして、口癖は「子どものためにと思ってやっています」です。

結局は自分自身の欲のために子どもに無理をさせてしてしまいます。そういった場合にはクレームになります。

たとえば、子どもの能力を考えずに偏差値の高い志望校を上げます。実際にそれに対してどれだけの時間がかかるのかわかっていません。

「毎日10時間ずっと続けてください」と言わないとわからないわけです。ご家庭によってはそれで潰れてしまう子どももいます。

あるいは潰れなかったとしても勉強嫌いになって受験が終わってしまう場合もあります。

学校を卒業してからの50年近く勉強し続けないといけない時代なのに、そこで勉強が終わってしまうわけです。

そうしてしまうと何のために塾に来たのかもわかりません。目先の成績で言えば、厳しくしたり、脅したりすればいいのかも知れませんが結局は長い目で見るとマイナスしか残りません。

どうやって見分けるのか?

実際に電話で話をしたときには注意深く聞いてみないとわかりません。塾をあちこち転塾している家の場合は特に気をつけないといけません。

というのは以前の塾の悪口を言うという人は基本的に辞めた後に自塾の悪口を言う人なのです。

そういったときには私の場合は「もう少し他の塾を回ってから来てください」という風に言います。

特に複数転塾しているところはまた転塾していくので結局入塾してもらっても意味がないのです。そう言った場合はお断りしています。

すぐに結果を期待する人も要注意です。塾だからすぐに結果を期待するのは当然かも知れません。

ですが、結果というのは子どもの能力によるところもあります。塾だからすぐ上げるのが当たり前だろうと言われるかも知れません。

もちろん上げる方法はないことはないのですが、その成績の上げ方はあくまでもハリボテ式なのです。

実際には上がったように見えていますが力はついていません。そんな勉強を続けていても結局受験のときには力が発揮できないのです。

会員さんをどうとらえるのか?

あとは自塾の規模と考え方次第でどんな会員を集めるのかを決めればいいのです。私のところは「友人」を集めるようにしているので絞るようにしています。

自分が「クレーム処理」といった面倒なことをしたくないからです。

だって人間だもの みつを

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