経営の考え方

【塾倒産】倒産の予兆

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「倒産させる塾の先生」

「成績の上がらない子」

について共通しているのが

「ズレ」

です。やっていることに

「ズレ」

があるのです。その1つは

「やっていることそのもののズレ」

ともう1つは

「やるタイミングのズレ」

です。今回の話は

「タイミングのズレ」

についてです。

「ズレ」というのをわかりやすく書くと、例えば、勉強で言うと

「定期テストが終わってから定期テストの勉強する」

というもの。こんなことを書くと

「なぜテスト前に勉強をしないの?おかしいんじゃないの?」

と思います。同じ勉強でも

「テスト前に勉強」→「点数がup」
「テスト後に勉強」→「点数維持」

しますよね。こんな簡単なことではあまり「ズレ」たりしませんが、ですが「ズレ」たタイミングで勉強する子はいます。

塾の宿題も習った次の日にやれば

「忘れる前に勉強する」

ので短い時間で宿題が終わります。ですが、塾に行く前に慌てて

「あっ今日塾だ。やばい」

と言って内容を忘れた1週間後にやると

「必要以上に時間がかかる」

のです。やっている宿題は同じでも

「やるタイミングによってかかる時間は違う」

のです。もったいないですね。

「同じことをやってもやるタイミングによって結果が違う」

のですから。これは

「塾でも同じです」

私も塾をはじめてオープンしたての人を見ていると

「あー、このままではダメだ」

とついつい思うことがあります。それは私と同じ失敗をしているからです。

その「失敗」とは

「やることのタイミングのズレ」

です。生徒が全然集まっていないときに生徒を集める努力もしないで余計なことを考えてしまいます。

塾でも生徒が集まってきたら

「椅子はどうだろう」
「観葉植物を置いた方が・・」

「保護者に出すお茶は」

と中の工夫を考えればいいのについつい

「今考えなくてもいいことを考えてお金を使ってしまう」

のです。そして、資金が底をついて塾の閉鎖となってしまうのです。

今回の話は

「オープン前にやること」

をオープンしてからやってしまった「ズレ」の話です。

(前回からの続き)

さて、近所の塾周りをして気づいたことは

「塾の多さ」

でした。ざっと見た駅前でも2件ありましたが、私が1件1件数えたところ私の市場内には

「25件」

の塾があったのです。もちろん、都市部だともっと塾が多い地区もあると思いますが私が開業したとところは

「普通電車しか止まらない」

ので他から通ってくることは少なく

「生徒数もそんなに多くない」

のでどう見ても

「こんに多くの塾は必要がない」

という印象しかありませんでした。しかも

「○研教室」「○文式」

と言った自宅を利用されている方(家賃がいらない主婦の方)や

「スパルタМ塾」
「数学のF塾」

と言った地元で有名な塾。さらに大手がやっている

「○in」
「○タッド」

など私より条件の良い塾ばかりなのです。

 塾の数をもとにどれだけ塾に生徒さんがもらえるのかを計算すると

通塾率(塾に通う割合)を「70%」とすると(実際は当時は67%)

 生徒数 通塾率

 1000 ×70%=700人

塾の数が「25件」の塾数で割ると単純に言うと

1件の塾当たりに

700÷25=28人

なります。ですか、生徒数は小学生を含んでいるのでもっと通塾率は低いはず。

そうすると

「26人くらい」

の生徒数になるはずです。当時月謝が1人15000円なので、売上はこのままでいくと

15000円×26人=390000円

です。ここから「家賃」「駐車場代」「コンサル料」「機器代」などを引くと

 200000円

くらいにしかなりません。もちろん、「26人」集まってこれですから、それ以下だと

「パートで働く方が割がいい」

くらいなのです。本当はこういった計算は

「塾を開業する前に調べること」

なのです。塾を開業してしまってから調べるのはタイミングは遅いのです。

実際には塾のほとんどが

「一国一城の主」
「代表」

を言ってみても実質は

「パートで働く人と同じ収入」

か又は

「それ以下」

の収入であることが多いのです。塾では

「先生、先生」

と言われていても現実はこんなものなのです。

もちろん、当時の私は塾だけでは食べていけなかったので、

 朝  7時~15時30分 派遣のバイト
 夜 16時~23時   塾

と近くの工場で派遣のあるバイトをしながらの塾運営です。

 これは多分生徒が集まっていない先生は同じだと思うのですが、現実は

「青色吐息で働く」

の運営なのです。

それで慌ててコンサルタントの先生に電話をしました。

私「今調べたところ近所には25件も塾がありました」
コ「えっ?そんなにあるんですか?」

私「はい。これで生徒は集まりますかね」
コ「塾ってどんな塾ですか?」

私「大手の○文式や○研や・・」
コ「大丈夫ですって」

私「そ、そうですか?」
コ「はい。私が指導して1年経って30名も集まらなかった塾はありませんから」

私「そ、そうなんですか」(希望の光)
コ「はい。だからがんばってください」

私「はい。わかりました」

そうしてさらにチラシを入れることにしました。

 8月に入ると生徒は少しずつ入ってきました。最初に入った3名の友達で2人。そして、9月に入るとまた3名。

 少しずつでは上向きになっていったのです。ですが、ここで後々大問題に原因を作っていったのです。

塾の生徒も少し増えてきました。自分でも少しずつ不安は少なくなってきましたが、それではも8名です。

まだまだ利益がでているわけではありません。ですが、少しずつ生徒も増えてきているので希望は持てました。

最初に来た生徒は全体的に点数の低い生徒がほとんどでした。

それでも、生徒が少ないのでまずは、目の前の子をどんどん指導していきました。

この内容は「6点を67点」にした方法に書いていきますが、点数が1桁の子も何名かいたので本当に大変でした。

ですが生徒数が少ないのでじっくりと指導することができました。そして、本当に少しずつですが、塾の形になってきました。

新しく入塾してきた子も今までよりも成績の良い子も入ってきました。点数でというと平均点くらいの子達です。

また、在塾生の中には紹介してもらえるようになってきました。そうして、生徒が1人2人と増えていきました。

この頃が収入を除いてはオフラインの塾では一番楽しかったように思います。

また、自分の子どもは小さかったのですが、日・祝日も補習をするようになりました。

何名かは学校でいじめられた経験のある子もいたり、またいろいろ悩みを抱えている子もいたりしました。

そして、人数が少ない分だけ生徒と話をどんどんしていきました。

生徒も

「塾が好き」

と言って、塾が終わっても帰らない子もいました。ずっと話をしているのです。

そうして続けていくことで1人、2人と紹介で生徒が入ってきました。

そして、翌年の12月には何とか生徒数は20名になってきました。また、1桁だった生徒も科目によっては平均点くらいは取れるようになってきました。

中身は少しずつよくなっていますが、1年経っても生徒数は30名もいきません。 次の年の4月にチラシを10万円も使って入れても1人入ればいい方です。

それでも生徒数は今まで最高数になっていたので「何とか30名を超えて・・」と希望を持てってやってました。

ところがここで「大きな落とし穴」があったのです。

 それは創業したばかりの塾では起こることなのですが、

「学力の低い子ばかり入ってくる」

ところです。

当時はどれくらい大変だったのかというと1学年177名中、下から10番以内の子が5名うちの塾に通ってくれていたのです。

私自身は「学力の低い子」を何度も教えたことがあるので特に苦手ではないのですが、

「1対1の家庭教師」

だと丁寧に教えられるので問題はないのですが、そういう子が1人、2人、3人と寄ってくると個別対応が難しくなるのです。

人数が少ないときは1人1人にある程度時間がかけられますが、人数が少ないと時間がかけられない。

成績がある程度の子であれば、

「3分」

で理解させることができても、もともと学力の低い子はその「3倍~5倍」の時間がかかってしまいます。

 同じ内容を説明しても「15分」とか時間がかかるのです。

通常は数学を指導するときは

「公式」→「例題1」「例題2」

くらいなのが、学力の低い子は

「公式」→「例題1」「例題2」
     「例題3」「例題4」
     「例題5」「例題6」

と説明を増やさないといけません。また、使っていた機器は

「普通の学力向け」

の内容だったので、できない子には

「毎回1つ1つ手書きで説明」

しないと理解できなかったのです。

当然「待ち時間」が増えてきます。もともと紹介で入ってきているので同じ学校同士です。自分がわからないと友達としゃべるようになってしまいます。

そうすると今までは人数が少ないので多少おしゃべりをしていても静かで楽しい塾がだんだんと騒がしい塾になっていったのです。

指導する側も人数が増えるにつれて

「ストレスも少しずつ増して」

いったのです。そして、さらに友達の紹介があったときさらに塾を閉鎖する予兆が起こる出来事があったのです。

続く

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