経営の考え方

【塾倒産】先生の顔が怖い

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私が自分でも子育てに参加をし、そして自分で起業してみて強く感じるは

「子どもを社会でも役立つ人にしたい」

ということです。いえきれいごとを抜きにして言うと

「生き残っていける人」

です。会社勤めをしている人は

「君は明日から会社に来なくていい」

と言われると次の仕事を見つからなければ路頭に迷います。蓄えがあればしばらくはそれでもしばらくは食べていけますが、それでも蓄えがなくなると

「やっていけなくなる」

のです。ですが、

「この人しかできないこと」

をやってそれが

「社会に必要とされている人」

だとすぐに次の仕事が見つけられます。それは社会に出てやっていることが

「価値と価値の交換」

だからです。相手の欲しがる

「価値を構築し価値を提供しいく」

ようになれば、ずっと仕事に関しては心配する必要がないのです。

 子どもからの紹介があって塾の生徒も増えてきて、

「何か調子が出てきたぞ。このままがんばっていけば・・」

と全体的に上昇気流だったとき

「新しく2人の生徒」

が入ってきました。1人は見た目は普通の生徒。もう1人は髪を少し染めた生徒です。

親から何の連絡もなく子どもが

「体験授業したい」

と。そして、1人の親とは話ができたのですがもう1人は連絡がつかず。

一緒に来て1人だけ体験させるわけにもいかないので2人とも体験授業を。

体験授業をしてパソコンを触った本人達は「入る気満々」でした。そして、どうなったのか・・と言うと

「塾のうるささがパワーアップ」

したのです。当然私も今までは

「注意する」

ことはありました。ですが、その子が入って来てからは、

「怒る」

に変わりました。もちろん指導する側で言うと

「叱る(相手のためを思って)」

のでしょうが本当に「怒る」というのが適切だったと思います。

私はあまり「ガミガミ」言う方ではありません。

また「ガミガミ」言われませんし、自分からは言わないようにしています。

ただ、叱るときは

「厳しい」

ので、子どもからは

「怒ったら怖い」

というイメージだったので子どもも少しうるさくしてもある程度したら静かになっていたのです。

ところがその子達はお構いなしです。

「きゃー」「ぎゃはは」
「でさー」

とその友達の軍団がくると塾の雰囲気が一変してしまいます。

本当に

「騒がしくなる」

のです。それまでは割と静かに楽しくやっていた雰囲気ががらりと変わります。

あとで聞いた話ですが、学校でも結構なことをやっていたそうです。

例えば、

「音楽の授業中にホースで水を撒く」
「授業中大声で話をするのは当たり前」
「廊下を自転車で2人乗り」

そして塾では

「他の塾も辞めさせられた」

子達だったのです。

友達としては「面白い子」でしたが「塾の生徒」としてはこの上もなく迷惑をかける子でした。

 ここで勘違いして欲しくはないのですが、「友達としては」いい子ですが、学校の先生や塾の先生にとっては大変やりにくい子だったのです。

というのはそのうちの1人は高校に合格して塾を辞めてからも塾によく遊びに来ていました。高校の報告もしてくれていたのです。

「先生、高校ってつまんない」
「なんで?」

「だった授業中おしゃべりしたらいけないんだよ」
「えっ。それ普通だよ」

「えー。えー。そうなの?」
「そうだよ。普通は授業中はしゃべったりしないよ」

「えっ。だって中学のときは普通にしゃべっていたよ」
「先生は?」

「注意なんかしないよ」
「えー」

「だから普通にしゃべっていた」
「そうなんだ」

と。こんな感じです、これだと当然塾でも話をしていまいますね。

 そして、こういった状態が続いたあとある生徒からこんな言葉を言われました

ある生徒から言われた言葉は

「先生の顔が怖い」

というものでした。こんな風に書くと

「どれだけ怖い顔をしているの?」

と思われるかもしれませんね。ですが、以前家内を仕事場に迎えに行ったときには

「やさしそうなご主人ですね」

とか、生徒の中には

「先生が怒ったのを見たことがない」
「7年間怒ったことがない」

というくらい怒らない人というイメージもあったのです。一度怒ったときにはある生徒から

「先生でも怒ることがあるんだと知って
 びっくりした」

と言われるくらいです。人によってですが、

「全く怒らない人」

と思っている人もいるくらいです。さらにあるお母さんからは

「勉強ばかりしているヒョロヒョロの人」

というイメージがあったように言われたこともありました。

ですが、当時の私は怒ってばかりいました。

「指導中もしゃべる」
「騒ぎ出す」

そのたびに「怒る」のです。騒ぐ子たちも

「怒る」→「出て行く」

そんなこともありました。毎日が格闘であれだけ楽しかった塾が自分にとっても苦痛になってきたのです。

 そして、冒頭の言葉です。

「先生の顔が怖い」

と。そして、しばらくすると突然「顔が怖い」と言った生徒が

「塾を辞めます」

と言われたのです。 そして、次にその友達の生徒も・・・せっかく集まった生徒も、比較的真面目な生徒から辞めていったのです。1人、そして、また1人・と。

 私もわかりますが、「怒る」「叱る」も怒られる本人も怒る人も苦痛です。

 そして、一番被害にあうのがその周りにいる子たちです。

 楽しかった塾が毎日毎日の喧騒の中にある塾に通う子ども・・。

 ですが、そのときの私は自分自身が一杯一杯でそんなことにも気づいてやれなかったのです。

また、

 「生徒が辞める」

というのは自分に取っては非常にショックキングな出来事でした。会社勤めをしていたときとは違い

「生徒が辞める」=「塾の否定」=「自分を否定された」

という感じがして口では表せない寂寥感一杯でした。そして、

「辞めます」

という言葉を聞いた日は近くにある

焼き鳥「大吉」(今はもうない)

でビールを飲みながら、

「何が悪かったんだろう」
「どうしてなんだろう」
「どうすればよかったんだろう」

とビールを飲んでは考え、焼き鳥を食べては考えて、ポツンと1人カウンターで飲んでいるのでした。

辞めていく生徒のことを考えながら、

「この塾が好き」
「卒業するまで辞めない」
「先生、友達を連れてきていい?」

そう語っていた生徒を思いながら・・・。

お酒を飲んで車では帰れないので塾の中で寝袋で寝て朝のアルバイトに行ったものでした。

 そして、さらに事件が続くのでした。それは・・・。

 

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