経営の考え方

会社が倒産したわけ

大学を卒業したとき最初に入った会社では必須の研修というのがありました。その研修は会社の方で費用を負担してくれて確か8万円ぐらいだったと思います。

社員全員が受けていましたが、その研修の特徴というのは何かと言うと

自己客観化

です

自分を客観的に見るための研修ですが、今になってこの研修のありがたみがわかります。というのはそれができればほとんどの問題が解決できるからです。

そして、それが出来ないと会社が倒産してしまうからです。

私が勤めていた会社ではコンサルタント会社でした。中小企業を対象としたコンサルタント会社で、相手のお客さんはパパママストアから年商200億円の会社と様々です。

そして、仕事をしていてわかりましたが、基本的に中小企業の経営者はわがままで言うことを聞かないのが普通です。もちろん、私も含めてです。

そして、人の言うことを聞きませんが、逆に人の話をじっくり聞いてどんどん吸収していく社長は上場していますし、頑固さを保ちながら素直さを持っているという不思議なのが大きな会社の社長の特徴です。

さて、そんな中小企業の社長が人の話を聞くときが2回あります。それは1つは長年勤めていた従業員が辞めたとき。そして、もう一つが会社が倒産しかけたときです。

そして、残念ですが私が取引していた会社も何社も倒産していますし、私が当時関わっていた会社で、利益が出過ぎて従業員を海外旅行に連れて行った会社ですら今はもうありません。

また、私が別の会社に転職して、勤めていた会社も今はありません。実際に私が勤めてるときは泥船が沈む寸前で、大変な状態でした。私が会社を辞めるときには1年間は給与の遅配。

資金集めに大阪の天王寺を走り回りました。もちろん、ずっと調子が悪かったわけではなく、調子が良くて成長していたのに倒産してしまったのです。

だから、私は必要以上に「倒産」について危機感を持っています。普通に考えればわかりますが、死なない人間がいないようにつぶれない会社はないのです。それぐらいの気持ちでいます。

時代の流れでつぶれたといえばそうかもしれませんが、実際の話、ほとんどの倒産の責任は経営者にあるのです。そして。その理由の1つが自己客観ができないということです。

残念ながら人間というのは自分を客観的に見ることが中々できません。もちろん、私もできません。トレーニングは積んでいますが、中々それができないのです。

「自己客観化できない」ということの、どういったところがその特徴なのかというと、よくあるのが次の言葉です。

「他の所はそうだけれども、自分の所は違う」

と言った自分の所の特別扱いです。実際に各社長から聞いた言葉です。

「俺は1万人に1人の逸材だから大丈夫」「俺は怪物」

当然、これらの会社はつぶれています。

冷静に考えてみればわかりますが、他の所で雨が降っているのに自分の家だけ雨が降らないということはありえないです。ですが会社経営ではそんなことが起こると信じているのです。 実はこれは年齢に関係なく起こり得る話です。

というのは、コンサルタントという社会人向け教育から、子ども向けの教育に入ったとき、同様のことが起こったからです。それは、子どもが模擬試験を最初に受けたとき、模試の点数が悪いとその母親がその現実を受け入れないということです。

「今回の模擬試験は体調が悪かったから」

「初めてだったので要領がわからなかったから」

と、「今回の模擬試験はたまたま調子が悪かった」ということにします。しかし、続けて次のテスト受けて、同様の結果で初めて自分の子がいかにできなかったかという現実を知るのです。

ですが、残念ながら経営者向けの模擬テストというのはありません。あるとすれば決算書です。毎年確定申告をしたり、決算をしたりしたときに出てくる数字がその経営者の一つの基準になります 。

あと、経営者にとって一番効果があったのが、以前にやっていた「従業員の聞き取り調査」でした。多いときに1日40名ほど話を聞いて、会社についての問題点や改善点を聴いていきました。

もちろん誰が言ったのかは伏せています。そして、そのレポートを提出したときはほんどの経営者は「ガックリ」として「ありがとうございます」とお礼を述べていたのです。

塾で言うとアンケートなのかも知れません。大切なのは「自己客観化」です。それができると違って経営が出来ます。

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