文章の書き方

講師に向かってお尻を向ける生徒

「経営コンサルタント」というとどんなイメージでしょうか?イメージからすると

「社長と向き合って話をする。自分の会社に帰ってパソコンを前にして【ぱぱっ】と企画書をまとめて提出する」

そんなカッコよく颯爽なイメージがあると思いますか?実際の話はドロドロした仕事が多いです。特に中小企業を相手にした場合は。

その中でも、従業員を対象とした講師の話です。講師というと大きくわけて2つの講師がいます。

1つは、「セミナー講師」でもう1つは「現場講師」です。

「セミナー講師」と「現場講師」の違いってわかりますか?

「セミナー講師」とはセミナーを受けに来た人の前で講義する講師のことです。

相手は、自分から学ぶために来ているので比較的意識が高いです。一方、「現場講師」とは受講生がいる実際の職場に行って従業員に教育をする講師のことです。

どちらも経験したことがありますが、「セミナー講師」に比べて「現場講師」の格段に難しいです。

というのはセミナーに参加するという人は比較的意識の高い人が多いです。自分から受講したり、自腹で受講したりしています。

まずは「話を聞こう」という姿勢が出来ています。ですが、「現場講師」の受講生は現場で社員教育を受ける人というのは会社からいわれて嫌々話を聞く人も多いわけです。

中には「自分では絶対にそんなものには参加しない」と思っている人もいるわけです。もちろん、聞くふりだけの人もたくさんいます。

特に中小企業では中にはクセのあるわがままな人もいるので一筋縄ではいきません。

通常の会社だったら考えられないようなこともあるのです。「会社の指示に従わない」かといってクビにするわけにもいきません。

というのは会社にきて、仕事はきちっとする。しかも腕はいい。ただ、それ以外のことについては非協力的な人だからです。

特に職人関係のところはそうです。過去にあった話ですが、こんなことがありました。

私と当時の上司と一緒にある会社に行ったときのことです。朝から従業員教育を行っていたのですが、その職場の片隅には畳の部屋があったのです。

畳の部屋といっても1段高くなっていて、広さは4畳半ぐらいです。そこに畳が敷いてあって、そこで従業員が休憩したり、お茶を飲んだりする場所になっています。

従業員教育がスタートしていますが約1名。こちらにお尻を向けて寝ている人もいます。一瞬「えっ」と目を疑いました。全体的に眠そうです。雰囲気はみんな嫌々やっているという感じです。

塾の生徒だったら叱り飛ばすのでしょうが、大人の現場ではそういうわけにはいきません。プロとしては、そういう人の中で、そういう人でも聞いてもらえる話をしないといけないのです 。

また、現場の中には面と向かって「あんたの話は絶対に聞かない」といわれることもあります。

経営コンサルタントなんて、現場の人からすると途中、横から入ってきて偉そうなことをいうイメージしかなかったのかも知れません。

実際に私が新入社員のとき、最初に契約した会社では、そこにいた30名ほどいた従業員から「お前は帰れ」と帰れコールを受けたこともあります。23歳の秋です。それが現場の世界です。

そのときにいわれたのは上司から「そういう人たちにも聞いてもらえるような熱意と話すスキルが必要だ」と。

自分自身が「その会社を変えたい」と本気でなって取り組む。そして、その人たちが聞いてもらえるように話をしていく。

聞いてもらえない人に「トントン。トントン」と机をたたくように、相手を振り向かせるような話をしないといけないのです。

実際に1年経ったときには、先ほど転がって聞いていた従業員も、とりあえず立って話を聞いてくれるになっていました。私の上司の熱意が伝わったのですね。

この話は何の話かというと、インターネット上で書く文章の話です。塾の先生が書く文章というのは基本的に「自分の文章を読んでくれるだろう」と思って書いています。

「自分の話を聞いてくれるだろう」「自分の文章を最後まで読んでくれるだろう」と。

ですが、現実はそんなことはないです。決してスマホやパソコンの前で正座してあなたの文章を読んでくれるわけではありません。

ほとんどがたくさんの中から選んで、流し読みをしているのです。だから、自分の文章を最後まで読んでもらえるような工夫が必要なのです

実際にこんな工夫が必要です。私の文章の中に次の文を指す文章が多いのに気づかれたでしょうか?

「こんな内容です」「次の2点です」「こういったことがあったのです」

この文章はすべて「次の文章を読ませるための工夫」をしているわけです。

インターネットでは、文章を読み始めても、最後まで読んでくれるわけではありません。

読んでもらうための工夫が必要です。その中の1つが「こんなことがあったのです」といった次の文章を指す言葉です。

タイトルだけではなく、文章を最後まで読ませるためには、常にそういった工夫が必要なのです。

「自分の文章は全部読んでくれているだろう」とうぬぼれをなくすことです。

逆に「自分の文章が読まれていない」「相手は自分を選んでくれない」だから選んでくれる工夫が必要だと思って書くのです。

その1つが「あとを指す指示語」です。後ろを指す文章の指示語をどんどん入れていきましょう。Webを下に下に読んでもらえるように文章に工夫が必要です。

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